相続放棄について
2008.5.17
T 相続放棄とは
相続放棄とは、相続財産の全て(プラス財産もマイナス財産も全部)を相続しないという意思表示をいいます。
◎ 相続により取得される財産は、プラス財産(不動産や預貯金)だけではありません。マイナス財産(借金)も含まれます。
→ 被相続人(お亡くなりになった方)が多額の借金を抱えていた場合、相続人はその借金を返済する責任を負担することになってしまいます。
U 相続放棄の効果
相続放棄の申述が受理されると、以下のような効果が発生します。
◎ 相続放棄をした者は、その相続に関して、初めから相続人とならなかったこととみなされます(民法939条)
→ 被相続人の遺産を相続しません。
→ 代襲相続は認められません(民法887条2項本文・889条2項)ので、相続放棄をした人の子や孫が代わって相続人となることはありません。
→ 相続放棄を撤回することはできません(民法919条1項)
V 相続放棄の方法
@ 期 間
相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内(民法915条1項)
→ 相続放棄の熟慮期間である3ヶ月は、「自己のために相続の開始があったことを知った時」から起算されますが、この「自己のために相続の開始があったことを知った時」については、「相続人が相続財産の全部または一部の存在を認識したときまたは通常これを認識しうべき時」(最判S59,4.27判決)と解されています。
A 方 式
被相続人(亡くなられた方)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に、相続放棄申述書等の書類を提出して申し立てます。
B 必要書類
1 相続放棄申述書(800円の収入印紙を貼付します)
2 被相続人の戸籍・除籍・住民票の除票
(横浜家庭裁判所川崎支部の場合、住民票は不要です。)
3 相続人の戸籍謄本
4 郵便切手
(横浜家庭裁判所川崎支部の場合、80円切手5枚が必要です。)
C 相続放棄手続きの流れ
1 戸籍等の添付書類の収集
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2 相続放棄申述書の作成
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3 家庭裁判所へ申し立て
↓
4 家庭裁判所から一定の照会事項に回答する
↓
5 家庭裁判所で相続放棄の申述が受理される
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6 家庭裁判所から相続放棄の申述を受理した旨の通知書が送られてくる
↓
7 相続放棄申述受理証明書を家庭裁判所へ請求し、交付を受ける。
↓
8 相続手続きにおいて、債権者や利害関係者等へ受理証明書を提示する。
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