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外国人の研修制度について

2007.8.9 

国際社会の一員として、日本では世界各国からさまざまな外国人を受け入れています。その数は現在では700万人とも言われていますが、これらの外国人が日本国内で活動するには「在留資格」が必要です。この「在留資格」は、例えば「報道」・「医療」・「留学」・「短期滞在」・「定住者」など、27種類に分類されていますが、その中でも特に「研修」について考えてみましょう。

研修制度は、途上国の人たちを日本の企業で受け入れ、技能や知識を学んでもらうため、平成5年にスタートしました。来日して1年目は研修生として学び、その後の2年間は「労働者」という扱いで技能実習ができる仕組みです。

しかし、「研修」とは建前ばかりで、実際には、賃金の安い労働力を求めて過酷な労働を強いる中小企業が後を絶ちませんでした。パスポートや預金通帳を会社で預かったままにする、残業代を支払わない等、労働基準監督署には相談が相次ぐようになったのです。


そこで、政府は関係3省で事態打開のための案をそれぞれ提出しました。それによると、

@厚生労働省では、1年の研修を廃止して3年間の技能実習に一本化し、入国当初から労働契約を結ぶという方針

A経済産業省では、現在受け入れ企業で行われている日本語教育や安全対策等の枠組みを維持しつつ、制度運用の適正化と厳格化で対処していくという方針

B法務省では、技能実習制度を廃止し、労働者の職種や技能を問わない、いわゆる単純労働者を受け入れるという方針

以上のような3案が出されております。

北京オリンピックまであと1年となり、日中関係をはじめこれからも益々各国との国交が加速していく一方で、日本国内では外国人の研修制度について意見が分かれております。今や私たちは日本人だけでなく、外国人にとってもより働きやすい環境を整備していく必要があるのではないか、と思います。